知床四季のフォトエッセイ
心の栄養

知床四季のフォトエッセイ
2004年
研修旅行12月
森の掟11月
フィナーレ10月
県民性 9月
真夏の夜の夢 8月
近況 6月
旅立ち 5月
調和 4月
同窓会 2月
世界で一つだけの花 1月
2003年
師走12月
早朝の港11月
星風呂の家 9月
約束 8月
それぞれの思い 7月
達成感 6月
共存 5月
春の訪れ 4月
冬のタンポポ 3月
流氷ウオーク 2月
心の栄養 1月
2002年
楽しむ12月
秋に想う11月
自然観察会INルシャ10月
輝いている 9月
笑顔の秘密 8月
無農薬 7月
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心の栄養
No,7 2003年1月号 著者:村石孝枝
 私は群馬県生まれだ。 「ああ じゃあ こちらに旅行に来て ご主人と知り合ったの?」と よく聞かれる。  だいたい当たってるけど 主人も長野県出身という ところが よくある現地の青年+観光客の女性というパターンからは ちょっと ズレている。  私達は この知床に住みはじめて15年になるが 冬の北海道は 本当に暖かい(??) もちろん これは室内に限ってのことだが・・・  どの家に行っても室内は25°前後に保たれているし ストーブの 排気もFF式で屋外に出しているので 空気もクリーンだ。 その上 床暖房も入っているので まさに頭寒足熱で 快適そのものだ。 が、年に一度 この快適な生活を崩さなくてはならない。 それは 年末年始を群馬か長野で過ごすことが我が家の恒例の行事に なっているからだ。 特に望郷心が あるわけでもないので取りやめにしても いいけど。 高齢の両親が孫に会えるのを楽しみにしているのかと思うと それもできない。 群馬はカラッ風とナントカ(?)が名物だが とにかく寒い! 私の実家が特別なわけでもなくて どこの家に行っても 背中を風が 吹き抜けるような感じがして どうしようもないのだ。 イヤ!家に問題があるのではなく 自分の体が ヌクヌクとした 「北海道仕様」に変化してしまったのだ。 「郷に入っては郷に従う」 もう「寒い」なんて言わないゾと心に 決めても その為に妙にイライラしてしまう自分を情けなく 思ってしまうのだ。 近所の人には「北海道から来たんだから寒さには強いでしょう」 なんて聞かれると返答に困る。 北海道の人は 実は暑がりで寒がりなのだ。気温28°を越せば もう暑い暑いを連発するし 20°以下では「寒くて何もできない」 なんて平気で言う。 私も 知床に生活をして はじめての冬は本当に驚いた。 こちらの友人達は セーターというものを 着ないし 持っていない というのだ。そういえば室内では真冬でも長袖のTシャツ1枚だし 子供は半袖でも元気だ。 物を大切にしてきた 世代のおじいちゃん おばあちゃんでも お風呂上がりにランニング姿で ビールを飲んでいたりする。 私は最初 これが理解できずに 北海道の人は「暖房費のムダ 使いをしている」と思っていた。 しかし ひと冬過ごしてみて 考えは大きく揺らいだ。 知床は外気温は平均で−7°。寒い日だと−15°にもなり 1時間も外へ出ていると すっかり冷えきってしまう。 この気温の中を子供達は歩いて学校まで通っている。 「ただいまあ〜」とドアを開けると そこには 楽園のような 暖かさが待っていて 身も心も癒してくれる。 楽園には ぶ厚いセーターなど似合わないし かろやかに お茶を飲む 空間が必要なのだ。暖かさは 体だけじゃなくて 心の栄養でもあるのだ。 この室内と屋外の寒暖の絶妙なバランスこそ 雪に囲まれて ここで暮らす人々の生活の知恵なのだとわかった。 そんなことを 思いながら 1月8日の夜 10日ぶりに 我が家へ帰ってみると 連日の吹雪にも かかわらず 家の玄関の雪が片づけられていた。 「いいなあ 友達は・・・」 「いいなあ 知床は・・・」 そんな おだやかな気分で 眠りにつき 翌朝沖をみると はるか かなたに 白い大きな固まりが見える。 「やったあ!! 流氷初日だ」
 
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写真
1枚目:流氷山脈小清水町浜小清水フレトイ展望台沖3月

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「知床四季のエッセイ」著作 村石孝枝
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