知床四季のフォトエッセイ
星風呂の家

知床四季のフォトエッセイ
2004年
研修旅行12月
森の掟11月
フィナーレ10月
県民性 9月
真夏の夜の夢 8月
近況 6月
旅立ち 5月
調和 4月
同窓会 2月
世界で一つだけの花 1月
2003年
師走12月
早朝の港11月
星風呂の家 9月
約束 8月
それぞれの思い 7月
達成感 6月
共存 5月
春の訪れ 4月
冬のタンポポ 3月
流氷ウオーク 2月
心の栄養 1月
2002年
楽しむ12月
秋に想う11月
自然観察会INルシャ10月
輝いている 9月
笑顔の秘密 8月
無農薬 7月
<< ・前号  ・Top  ・次号 >>
星風呂の家
No,15 2003年9月号 著者:村石孝枝
 我が家は 知床のウトロにあるが 海沿いではなくて ホテルが 立ち並ぶ 丘の上にある。  キッチンからは オホーツク海に沈む 夕日が美しい。  冬場は 流氷の動きもすぐにわかるので 遠方の友人達にも かなり正確に 流氷情報を伝えることができる。  我が家に来た ほとんどの人は 「景色が一番のごちそうだね」という。 実は 10年程前の春に 主人が突然に「家を建てる」と言い出した。 そんなこと聞いても 思っても いなかったので 「どうして急に・・・」と聞くと 「すごく いい土地が あるんだ」という。 連れて こられたのが 今のこの家の場所だった。  それからは もう トントン拍子に事はすすみ 秋には引っ越しをしていた。 新居に入ったある日 主人は笑顔で言ったのだ。 「オレは約束を守ったんだ」という・・・ きょとんとする私に 「オラ・・・ あの長野の・・・」 ハァーッ! と驚いて はるかな記憶がよみがえった。  その頃 私達は結婚を決めて 長野県で住む家を探していた。 何件目かの 不動産屋さんで「いい物件がありますよ」と いうので そこの娘さんに案内してもらった。  それは 小さいながら一戸建てで 長野県が一望できる丘の 上にあった。なにより気に入ったのは ガラス張りの お風呂場で そこから見える風景が すばらしかった。 そして 入浴中に星が見られるようにと 天窓までついていた。 私達は すぐにその場で 手続きを済ませ その家を 「星風呂の家」と呼び 入居できる日を楽しみしていた。  ところが 2,3日後 不動産屋さんから 連絡がはいり 「あそこは ダメになりました」という。 理由を聞いても「大家さんの都合で・・・」と いい張るだけで 「あきらめてください」という。 割り切れない気持ちで もう一度その家を見に行くと 庭で車を洗っていたのは 何と あの娘さんだったのだ。 裏切られた思いで 泣く私に主人は 「絶対 もっと景色のいいところ 見つけてやるから」と 言ったのだった。  それから 10年・・・ 北海道に移り住み 子供も産まれ そんなことは もうすっかり 忘れてしまっていた。 だけど 現実となって この風景の中にいる 自分は とても不思議な 想いにつつまれていた。  そして さらに10年が過ぎた今「家はしあわせになるための道具」と 風水では いわれているそうだが 実際 この家に住みはじめてから ラッキーなことも次々に起こる。 いえ 人からは そう思えない 日常の些細な出来事でも 幸福と 思える「幸福力」が ついたのかもしれない。
 
<< ・前号  ・Top  ・次号 >>
 
写真
1枚目:阿寒オンネトー10月

オホーツクドットコム 風景写真集 来運の水 知床カムイワッカ湯の滝レポート 北海道四季の食材 強酸性の硫黄泉「川湯温泉」 知床四季のフォトエッセイ オホーツクメール
旅行の服装について・今日の風景 北海道観光名所 流氷ビューポイント 飲食店・グルメガイド 知床・屈斜路露天風呂 オホーツクの四季 阿寒オンネトーの四季 摩周・屈斜路サイト
(C) Copyright 2002-20017 essay-shiretoko.com .All rights reserved.
「知床四季のエッセイ」著作 村石孝枝
制作、著作、運営管理 知床四季のエッセイ