知床四季のフォトエッセイ
旅立ち

知床四季のフォトエッセイ
2004年
研修旅行12月
森の掟11月
フィナーレ10月
県民性 9月
真夏の夜の夢 8月
近況 6月
旅立ち 5月
調和 4月
同窓会 2月
世界で一つだけの花 1月
2003年
師走12月
早朝の港11月
星風呂の家 9月
約束 8月
それぞれの思い 7月
達成感 6月
共存 5月
春の訪れ 4月
冬のタンポポ 3月
流氷ウオーク 2月
心の栄養 1月
2002年
楽しむ12月
秋に想う11月
自然観察会INルシャ10月
輝いている 9月
笑顔の秘密 8月
無農薬 7月
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旅立ち
No,21 2004年5月号 著者:村石孝枝
 春は 別れと始まりの季節と いわれるが 今年は特にそれを実感する。 我が家も 長女は就職のために上京し 次女は高校生になり 自宅通学できない 距離の高校へ入学したので 下宿生活をしている。  とうとう夫婦は 二人だけになってしまった。 老後というのには まだ少し早くて なんとも間延びした気持ちは 埋められない。 「高校生で下宿するなんて どんなとこに住んでるの?」と 新しくできた 友達に聞かれるそうだが このウトロから通える高校は たった一つだけだ。  それも バスで50分もかかる。  次女の入学した高校では 一年生197人中 下宿生は たった一人だそうだ。 それを聞いただけでも いかに知床が 特殊な環境にあるかがわかる。  ウトロには 小学校と中学校が一緒になった「斜里町立ウトロ小中学校」があり 全校生徒は 100人ちょっとだ。  1学年は一クラスだけで 10人前後の少人数制だが クラス替えも ないから 保育所、小学校、中学校とずっと同じ仲間で過ごす。  だから もう クラス全体が 兄弟のようで 競争心などもあまりない。  近くに 塾もないので 子供達は本当に のびのびと素朴に育っている。  保護者の結束も強く PTA役員などを決める時も ほとんどが 立候補で決まる。  人数が少ないので 役員は必ず回って来ると 皆知っているからだ。  それなら 自分の都合のいい年にサッサと やってしまおうという訳だ。  ウトロでは お父さん達は地元人が多いが お母さんは全国各地から 嫁に来ている。  私の友達も 岡山、静岡、神奈川とバラエティに富んでいる。  共通点は「北海道にあこがれていた」という ところかもしれない。 だから今でも どこかしら観光客気分がぬけていない。  これは学校の先生も同じで 小さなウトロ小中学校でも 九州や関東地方から 来ている先生も多い。  「ずっと 知床にあこがれていたので この地ではじめての 仕事が決まりうれしいです」  大学を卒業したばかりの新任の先生は ういういしい笑顔で こう挨拶する。  実際 地域と密着して さまざまなサークルに参加したり ボランティア活動 などもやっている。  ただ僻地(へきち)校の特徴なのかもしれないが 私生活が見え過ぎて しまうというのがある。  両親は どんな職業で とか 性格や経済状態まで 知りたくなくても わかってしまう。  子供を深く理解するためには そんなに悪いこととは思わないけれど 子供からすると 「プライバシー丸見え」らしい。  それに加えて 3歳からずっと同じ仲間といることにも 受験期には 息切れしそうになるという。 「もっと広い世界で自由に生活したい」娘は 中学生になった早い時期に 「知床を出る」と決め 着々と準備を進め この春それを実現させてしまった。  「○○ちゃんは こうゆう子」という ワクから外れて すごくラクになれたと うれしそうだ。  私達大人は そんな わずらわしさの あれも これも差し引いても 知床は いいなあと思えるけど。  「あなたは 知床生まれなんだもね!」 15歳の旅立ちを応援するよ。
 
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写真
1枚目:丘女満別町5月
2枚目:芝桜東藻琴村5月

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