知床四季のフォトエッセイ
真夏の夜の夢

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真夏の夜の夢
No,23 2004年8月号 著者:村石孝枝
 「北海道なのに どうしてこんなに暑いの?夜でも29℃もあるのよ?」 とお客様から よく苦情をいただく。  そのたびに「本当にそうですね。せっかくいらしたのに申し訳ありません」 自分に責任はないけれど「悪いなあ」という。 気持ちも本当で複雑な思いだ。  なにしろ 今年は6月から暑くて ここ3週間程は 連日30℃を下らない。  3、4前にも とても暑い夏があり クーラーがそれこそ飛ぶように 売れた。  ウトロの町にある 温度計が38℃を示した日 こらえきれず我家もクーラー を入れた。が、この年は 1週間程もしないうちに 涼しくなってしまい 昨年の冷夏には1度も登場しなかった。  それが今年は 朝からクーラーがフル回転で なんだか本州の夏を 思い出してしまった。  こうなると もう開き直って「暑さを楽しもう」という気分になる。  夏休みで帰省している高1の娘と庭にベンチを置いて スイカを食べたり 花火をしたりして 夏気分を盛り上げている。  花火というのは なぜか音の出るものや ハデな色彩のものが先で 最後にせんこう花火をやって終了と我家では コースが決まっている。 華やかな後の闇を楽しむように せんこう花火のオレンジの松葉模様を 見つめていて ふと気づいたことがある。 「あれ!私は いつから花火を普通にできるように なったんだろう」と・・・  何をかくそう 私は子供の頃 怖くて花火を持てなかったのだ。 父親に「ホラ持ってごらん。大丈夫だから」と無理やり持たされて 泣きべそをかいていた 思い出がある。  だかが花火だけど 友達や妹はさりげなく やっていることなのに なぜどうして こんな簡単なことができないのかと 自己嫌悪に陥ってしまった。  今になって思うと 怖いものに近寄りたくない防御心と それを エイッと 思い切る力が欠けていたのだと思う。  これらには もう一つ共通した思い出がある。 それは体育の時間の飛び箱だ。体育は別に好きでも 嫌いでもなかったのに こと この飛び箱は 大の苦手で 6年生でも3段が飛べなかった。 これは そうとうのコンプレックスになり 今でも私の心のすみっこに 痛みとして残っている。  どうしても 飛び箱の前で手をポンとついて 足をサッと開き 飛び越える という動作ができなかった。 「思い切ってやれ」と 担任の先生は何度も励ましてくれた。 しかし この思い切れる力の源は 自分の中にある自身だと思う。 目の前にある障害物を 飛び越える自身があるからこそ 飛び箱の前で踏み切れるのだ。 なぜ自分には それが不足していたかは 今だ不明だが 子供の頃に そんな自分がイヤだった分 大人なってからは 「女性にしては思い切りがいいね」とか 「迷わないね」と言われることが多い。  子供の頃 使い忘れた「思い切る力」を最近使い過ぎて 細やかな 心使いが欠けているかもね。注意しなくちゃ。そんなことを思っていると 娘の「せんこう花火 終わってるよ」の声で 現実に引き戻った。  あたりは 夜が深まり 一面の星空が広がっている。 ビールと星とスイカ! いいなあ 真夏の夜の夢だね。 今なら いつだって飛べるよ!!
 
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写真
1枚目:知床ウトロプユニ岬より8月
2枚目:ヒマワリ畑女満別町朝日ヶ丘展望台8月

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