知床四季のフォトエッセイ
無農薬

知床四季のフォトエッセイ
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無農薬
No,1 2002年7月号 著者:村石孝枝
 今が旬のグリーンアスパラは、美味しい。好きな食材のベスト10に入る程だ。「一度新鮮なアスパラをお腹いっぱい食べたいなー」と知人に話すと、「家で作 っているから あげますよ」とドッサリ持って来てくれた。  そのアスパラは葉緑素が 透けて見えそうなくらい緑色がやさしい。アスパラ 特有の少し青臭い香りがして、味はほんのり甘くて極上だ。  いつも思うのだが、どうして新鮮なものには独特の共通した甘みがあるのだろう。 それは魚であっても 肉であっても同じだ。あのほろ苦さがいいとされる山菜でさ えも、採れたてのものには、快い甘みがある。それはたぶんその食材のもつ 「気」のようなもので、はかなくて生命を絶たれるとすぐになくなってしまうもの だけど。人はこの「気」をいただいた時に、「ああ美味しい」と元気になったり、 幸せな気分になれたりすのじゃないかと思う。 「無農薬だから安心だよ」と知人は言う。「無農薬って育てるの大変でしょ?」と 聞くと「うちのは とっても簡単!」と言うのだ。その方法とは、まずアスパラの 苗を植える(ここまでは普通)。次にある程度の大きさになって害虫がつきそうに なる頃に、なんとアスパラ畑にスズメの餌をまくのだそうだ。そうすると その餌 目当てにスズメが集まる。 しばらくしたら、あまり餌をまかないようにする。するとスズメ達は餌が足りない のでアスパラについている害虫を次々と食べてくれる。という仕組みだ。ちなみに 「ニラ」もこの方法で育てているという。 まるで童話のようなお話に「ホント?」を連発する私に、知人はますます真顔で こう言うのだ。「これで無農薬アスパラの出来上がり。スズメ達も餌に困らず  人は害虫を取り除く手間も省けて 本当の意味で省エネなんですよ」と。 「スバラシイ」私は両手を叩いてしまった。「特許とれるかな?」と知人は言う。 う~ん、でもね。近くにスズメも居ないところや家庭菜園ではどうかな? やっぱりこの方法は広大な大地のある、北海道仕様かもね。
 
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写真
1枚目:丘小清水町6月
2枚目:小麦畑7月

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「知床四季のエッセイ」著作 村石孝枝
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