知床四季のフォトエッセイ
研修旅行

知床四季のフォトエッセイ
2004年
研修旅行12月
森の掟11月
フィナーレ10月
県民性 9月
真夏の夜の夢 8月
近況 6月
旅立ち 5月
調和 4月
同窓会 2月
世界で一つだけの花 1月
2003年
師走12月
早朝の港11月
星風呂の家 9月
約束 8月
それぞれの思い 7月
達成感 6月
共存 5月
春の訪れ 4月
冬のタンポポ 3月
流氷ウオーク 2月
心の栄養 1月
2002年
楽しむ12月
秋に想う11月
自然観察会INルシャ10月
輝いている 9月
笑顔の秘密 8月
無農薬 7月
<< ・前号  ・Top
研修旅行
No,27 2004年12月号 著者:村石孝枝
 ウトロの主婦仲間と 料理を主に 石けんを作ったり バザールを 計画したりと 広い分野での 手作りを楽しむサークルを作っている。  最初は 小さな子供を連れての子育てサークルのようだったが 発足から 15年目のこの頃では すっかり熟年グループの域に入ってしまった。  その分 それぞれに 仕事を持つようになったので 活動は限られるが 毎年 一定額を積み立てている。  それを 知床の観光も漁もシーズンOFFの この時季に 研修旅行と 称して2泊程度の 旅行をすることにしている。  今年は 京都の予定で 12月5日に出発した。 この日は 前日からの低気圧の影響で北海道内は 大荒れで 空の便は ほとんどが欠航か 天候調整中だった。  女満別空港は 知床から一番近い空港だが 日本で一番欠航便が多い 空港と いわれている。  特に冬は 羽田から乗るときによく「女満別に着陸できない場合は 近くの空港に降りますがご了承いただけますか」と聞かれる。  それでも たいていは予定どうり着くので 「今回も きっと大丈夫! とにかく ウトロを出発しよう」 そう決めて 女7人は車に乗り込んだ。  すると同時に 1人のケイタイが鳴った。 「今 インターネットで調べたんだけど 女満別空港 全便欠航だって!」 という 連絡だった。  う~ん決まった以上 もう空港に出向いても 無駄だ。  普通は ここで今回は あきらめて出直そうという運びになるが・・・ 1人として「帰ろう!」とは 言わない。 じゃあ JRで札幌まで出て 札幌でゆっくり2泊しようという話に まとまり 一行は急遽 網走駅へ向かった。  特急オホーツクに乗り込んだが 途中雪が だんだんと ひどくなり 停車駅の手前では「ただいま 大雪の為 ポイント整備を行っておりますので 30分程お待ちください」などと アナウンスが流れていた。  遠軽で 名物の「カニ弁当」を買う頃には 千歳空港も閉鎖され 私は隣に座った友人と ウトウトと眠ってしまった。  そろそろ札幌に着く頃に トントンと仲間の1人に肩をたたかれた。 「ねえ やっぱり明日京都へ行くから。1泊延びるよ」と 言うのだ。 「ハーッ! そんなこといつ決めたの」  ねぼけまなこの私達は 大声をあげた。  一瞬「今頃の京都は やっぱりいいだろうなあ。嵐山や哲学の道も 歩いてみたい」と 幻想にかられたが 「そんなこと できないでしょ。このチケット バーゲンフェアーで 取ってるから 日にちの変更は無理よ」と言うと 仲間の1人は 「それがね~~ フフン」と笑う。  本来は できないのだが「私達は絶対に京都へ行きたい。そちらの 都合で行けなくなったのだから 次の日に このチケットを使える ようにしてください。」と 航空会社に ゴネたというのだ。  そして すべての予定を1日延ばしに変更し ホテルや食事の予約を キャンセルし 新たに予約したというから もう驚きだ。 「あなた達が寝ているあいだに 2時間50分もケイタイ電話を 使ったの。大変だったんだから」  うん それはわかるよ(ありえないけど)。 「家族にOKとれたの」「ウン全員大丈夫」 「あたし達って あきらめなければ 何でもできるのよ!」 そういう問題でもないが いったいこのパワーは何?  とにかく 一行は秋の なごりある美しい京都へ降り立ったのでした。
 
<< ・前号  ・Top
 
写真
1,2枚目:斜里岳

(C) Copyright 2002-20017 essay-shiretoko.com .All rights reserved.
「知床四季のエッセイ」著作 村石孝枝
制作、著作、運営管理 知床四季のエッセイ